【RPA連携】後払いの審査NGを代引きに変更して、20%以上の売上回収を実現

2022-01-19

後払い決済代行を利用して与信審査を行うと、一定の割合で「審査NG」になる注文が発生します。お客様の住所情報の不備、与信上限額の超過、未払いの取引がある、など理由はさまざまですが、そのままキャンセルしてしまうと、せっかくご注文いただいたお客様にとっても、企業側にとっても機会損失となってしまいます。そのため、対策として、支払い方法を「代金引換」に変更して発送している企業もいらっしゃるかと思います。ただ、毎日の受発注対応、顧客対応で忙しい中、不定期で発生する審査NGの注文については優先度が下がってしまい、対応が後回しになっているというお話もよく聞きます。そこで今回は、RPAを活用して自動で支払い方法を代金引換に変更し、審査NGの注文の20%以上をお届けできた事例をご紹介いたします。

後払い決済で審査NGになる理由については、大きく5つのパターンに分かれます。

①住所・電話番号などの不備
②与信上限額を超えている
③支払い期限切れの未払い取引がある
④同一住所、同一電話番号の取引が、上記に該当している
⑤不正取引

このうち、①の住所不備の場合と⑤は、代金引換で再発送してもお受け取りいただける可能性は低くなります。しかし、②~④の場合、後払い以外のお支払い方法であれば、お客様も購入が可能な場合があります
そのため、審査NGになってもキャンセルせずに、再与信をかけたり、お客様にご連絡をして代引きで発送したり、といったオペレーションで対応されている企業様もいらっしゃるかと思います。実際に上記のような取り組みをすることで、審査NGの注文のうち20%をお届けできたという事例もあるため、「審査NGの対応」は、売上目標達成のためにぜひ積極的に取り組むべき施策の一つです。

審査NGの注文を代金引換で発送するには、お客様にとっては「商品を受け取れる」、企業にとっては「売り上げになる」といったメリットもありますが、やはりデメリットもあります。

■企業側のメリット

・お客様の過去の未支払い分の精算を待たずに、商品をお届けできる
・電話番号に不備があっても、住所に問題がなければお届けできる

■企業側のデメリット

・カートシステム上で、支払い方法を代金引換に変更する作業の手間が発生する
・「支払い方法を変更する」旨をメールなどでお客様に通知する必要がある
・受取拒否され、送料が増えてしまうリスクがある
・配送方法がポスト投函されるメール便の場合は代金引換が可能な配送へ変更する必要があり送料負担が大きくなる

■顧客側のメリット

・登録情報や支払い状況に不備があっても、現金で商品を購入できる
・与信限度額を気にしなくても良い

■顧客側のデメリット

・代引き手数料がかかる
・置き配には対応できない

お客様側の大きなデメリットである「代引き手数料がかかる」点については、企業側の努力で価格をある程度コントロールできます。そのため、企業側のデメリットである「運用面の負荷」が解決できれば、取り組む価値のある施策だと言えるでしょう。

カートシステム上で「審査NGの注文を代金引換に変更する」という作業は、一つ一つの工程は簡単ですが、件数が多いとミスや漏れにつながりやすいものです。そこで、RPAをうまく活用し、毎週平均100件の審査NG注文の変更作業を自動化している企業の事例をご紹介します。

【導入前の課題】

・1日20件、1週間で100件ほど、後払いで審査NGの注文が発生していた
・金曜日にまとめて審査NG注文を代金引換に変更作業を行なっていたが、件数が多く、対応に約2時間かかっていた
・少人数で運営しているため、金曜日は誰も休みが取れない状態だった

支払い方法が「後払い」で、かつ決済ステータスが「審査NG」になっている注文データをカートシステムから取得し、お支払い方法と配送方法を変更します。その後、お客様にお支払い方法変更のご案内メールを送信します。

  1. カートシステムから下記の条件で受注データのCSVをダウンロードする
    ・支払い方法:後払い
    ・決済ステータス:審査NG
    ・注文ステータス:未発送
  2. 対象注文の編集画面を開き、支払い方法を代金引換に変更する。※
  3. お客様に、「お支払い方法変更のご案内メール」を送信する

※配送方法が「ネコポス」などポスト投函の場合、配送方法を代金引換が利用可能なものに変更

事例でご紹介した企業では、毎週金曜日に審査NGの注文を代金引換で発送する作業を行っていました。理由としては、発送した曜日ごとの「受取率」を調査した結果、金曜日に発送すると到着が土日になり、もっとも受取率が高まるという結果が出ていたためです。そのような受取率を上げる工夫とともに、RPAを使って業務を安定的に運用したことで、平均して審査NGだった注文の20%を、代金引換でお支払いいただけているという成果が出ています。(場合によっては、商品未着で送料の負担が大幅に増えるケースもございますので、RPA連携後も商品到着による利益額と送料負担額を計測しバランスを取っていくことも必要です。)

審査NGの注文は、未来の顧客や売上に繋がる可能性がまだ残っている注文です。それは理解できてはいるけれど、忙しくて時間が作れない、人手が足りないなどの要因で、対策を打ちたいけと打てていないケースもあるかと思います。事例の中でご紹介した業務フローのように、「人の判断がいらない」「定型的な業務」は、RPAでの実行に非常に適しています。もし何か「やりたいけどできない」業務がある場合は、ぜひ一度RPAでできないか?をご相談いただければと思います。

次回は、「RPAを活用して受注処理を効率化する方法」をご紹介する予定です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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記事監修 / 渡辺直子│ Twitterアカウント
アスニカ株式会社 営業部 マネージャー RPAコンサルタント

2018年よりアスニカに参画し、EC特化型RPA「FULLTIME」のサービス立ち上げに従事。これまでに約100社のEC・通販企業様にて、RPAで自動化可能な業務の抽出から、要件設計、導入後の運用サポートまでを担い、平均90%の業務時間削減を実現。

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